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雑記2018

雑多なものの記録

11月3日
大学の構内を歩いていると, メイガの幼虫(ハマキムシ)が葉っぱを巻いて
巣を作っているのを見つけた. 巣の周りだけアブラムシが多いのはなぜ
なのか. 共生関係があるのか調べてみたけど, よくわからない.
巣から少し離れた場所には, ところどころにテントウムシの蛹. 幼虫は
もういないみたいだ.

habachi




9月18日
先週参加した学会の会場から宿に帰る途中, 車窓から見えた景色(写真はGoogle Street Viewから拝借).
「8の通り」からカウントダウンが始まり,「7の通り」,「6の通り」,「5の通り」,,,と来て,

street8




最後は「0の通り」

street0

ちなみに, この通りのある町の名は槙島. どこかに美仁間町とかないんだろうか.
槙島む町は。。。無いか.
「-1の通り」も一応探してみたけど, さすがにマイナスはないみたい.
複素数に拡張すれば平面を覆えると思ったけど, それは「$y\mathrm{i}$通, $x$上ル」と単に京都っぽくなるだけか.
四元数に拡張したら。。。



下の写真は, 学会の帰りの新幹線から撮った「ちきゅう」. 掘削やぐら(デリック)しか見えていないけど。
chikyu

この辺で碇泊しています.
chikyu2




7月20日

konkatsu

豊洲で教授会があったので, 豊洲に行く前に上野で「昆活」をしてきた.
興味の対象は人それぞれだと思うけど, 私の場合は今回の昆活前に
たまたま, この特別展の監修者の一人である丸山宗利先生の本,

 アリの巣をめぐる冒険 未踏の調査地は足下に

を読んでいたので, この本に出てくる好(白)蟻性昆虫(しかもその内の
いくつかについては生体展示)を観れたのが良かった.
(あと, この本が個人的に面白かったのは, 私と同年代の著者が研究者と
しての地位を得るまでの道程が描かれていたこと. 学振の研究員になった
ことや, 私は国内での就職を選んだけど, もしかしたら私も経験したかも
知れない海外学振の話など, たぶん私たち世代の多くの研究者が共通して
経験してきた研究の喜びや苦悩が描かれていて, とても興味深く読んだ)
ただ惜しいことには, 好(白)蟻性昆虫のほとんどはアリ同様, とても小さい
ので, 寄って見ても細部まではよく見えなかった.
再訪する際には, 簡易ルーペ(あと美しい甲虫も多いので偏光板も)を持って
行こうと思う. それほどたくさんは展示されていないが, ツノゼミも何種か
展示されているので, その珍奇な造形についてもルーペ越しなら数倍楽しめた
ことだろう.

第一会場出口で上映されていたマダガスカルでの調査の様子を観ていると, 後ろから

「お父さんかっこいいね」

というお母さんと子どもの声. たぶん九州大学の関係者のご家族だと思うけど,
東京までわざわざ見に来られたことを思うと少しホッコリした気持ちになった.




7月16日
4号館前の雑木林と夕焼けに染まる入道雲.

cloud2018jul16





6月27日
読んでいる本からふと目を上げると, 大宮駅構内でC12-66がディーゼル機関車に牽かれているのを見る.
真岡鐵道が動態保存している蒸気機関車とのこと.



6月20日
昨晩, 学生会館の前にいたノコギリクワガタ.
大宮キャンパスでは, 原歯型の個体はこれまで何度か見たことがあるけど,
先歯型の個体を見るのは初めて.

noko1

noko2




6月19日
カラパイアに掲載されていた, NSF調査で使った質問とその答えに長いこと
引っかかりを感じていた. その質問とは,

 正しいのはどちらか?
 A. 地球は太陽の周りを回っている、
 B. 太陽は地球の周りを回っている

で、答えはもちろんAである. ここで私が改めて天動説を主張する気はない.
答えがAになるのはわかるのだけど, なんというか, それは出題側に忖度した
回答であって, 別に答えがBでも構わないと思うのだ.

あまり難しいことは言わず, 単に地球を原点に据えた座標系を考えればいい.
その座標系から見た太陽の軌道は, 地球を中心とした円だと考えてほぼ間違い
ないのではないだろうか. Googleで検索してみると, そんな図を見つけること
ができた.

 Which is considered the closest planet to Earth? (Quora)

同じようなことは月に対しても言える.

 正しいのはどちらか?
 A. 月は太陽の周りを回っている、
 B. 月は地球の周りを回っている

「月の公転周期」と言った場合には, 地球の周りを回る周期のことであるから,
出題側に忖度すれば, 答えはきっとBとなるだろうが, 次のリンク先の図(ページ
のかなり下の方です)を見た後で, Bが正解でAは間違いと言い切れるだろうか。。。

 A Remarkable Lunar Paper and Numbers on Major Standstill (Musings from the Chiefio)


カラパイアから張られていたリンクを辿って, 元ネタのページ

 Each year the government asks 10 simple questions...(BUSINESS INSIDER)

の解答には,

> We know this is true on a basic level because we can see the position
> of the stars change over time.

とあって, "position of the stars change"にはリンクが張ってあって,
そのリンク先のUCSBのページ,

 How do we know that the earth revolves around the sun? (UCSB)

を読む限り, "We know this is true on a basic level."とはとても言えない
ことが理解できた. 「地球が太陽の周りを回っている」ことの説明を読むと,
太陽と地球の重心とか, 他の太陽系の惑星も含めた運動の記述が太陽あるいは
地球を中心に据えた場合での違いとかの説明であって, 次の問い,

 正しいのはどちらか?
 A. 地球は太陽の周りを回っている、
 B. 太陽は地球の周りを回っている

に対する簡潔な答えを見出すことはできなかった. ただ, 6つの回答を読んで,
自分なりに腹落ちしたことは, この設問は不良設定問題であって, 質問文を,

 太陽と地球の運動を万有引力によって相互作用する2体の力学的問題として
 捉えたとき、より適切なものはどちらか?

とすれば, 答えがAになるのは納得できる, という気づきであった.
科学によってもたらされた知見について, ある程度は耳学問であっても
知っておく必要があるとは思うけど, 表面的な事柄だけを教えていると,
科学も宗教と同様に, 信仰に根ざしたものとなる. つまり, 私が引っかかりを
感じていたのは, NSFの質問は異端審問と紙一重という点だったのだろう.




5月22日
論文が出ました.

Y. Tomita: "Measurement of entanglement entropy in the two-dimensional Potts model using wavelet analysis",
Phys. Rev. E 97, 052128 (2018).

画像変換などに使われるウェーブレット変換と磁性体の研究などで使われる2次元ポッツ模型という,
一見すると何の関係も無さそうなものの中に興味深い関係を見つけることができました.

まったくの思いつきで研究を始めたわけではなく, ポッツ模型の構成要素であるスピンの配置の
スナップショットと臨界普遍性との関係については前々から仙台高専の松枝さんから聞いていた
話で, 松枝さんの論文結果を追認していたりはいたのですが, 昨年11月4日に東大宮の駅前で
ばったりお会いしたのも何かの縁と思い, 松枝さんが主に議論している特異値分解ではなく
ウェーブレット変換を使い, 修士論文以来のお付き合いであるポッツ模型のFortuin-Kasteleyn表現
を組み合わせてみたら, いろいろと興味深い発見があったということです.

ウェーブレット変換を採用した理由の一つに, kaityo256さんによる, 非常に分かりやすい
二次元画像のウェーブレット変換の解説があったのもあります.

 はじめての多重解像度解析 その2 二次元画像の変換(Qiita)

kaityo256さんは, Itanium2の写真を「どこのご家庭にもあるであろう」と言ってしまう
素敵な人で, そんな人を私もひとり知っている気がしますが, それは気のせいだということに
しておきましょう.

偶然にも今日, デイリーポータルZで関係なさそうで, ありそうで, 少しだけ関係のある
記事が出ていたのでリンクを張っておこう.

 JPEG圧縮しづらい風景を探せ!(デイリーポータルZ)
 (参考: JPEG(Wikipedia), JPEG 2000(Wikipedia))

この記事の中に,

 これってまさにスカウターである。目に見えない、そして人間には分からない
 被写体の強さが見える。

ってあるけども, 今日出版された論文の概要は,

 これってまさにスカウターである。目に見えない、そして人間には分からない
 ポッツ模型の臨界普遍性が見える。

とも言える. 実際の計算やその理論的裏付けについてはまだ詰めが必要で, 今後, 乗り越える
べき課題が残されているのだが, この方法が計算物性物理学にとって欠かせない"スカウター"に
成長するといいなと思っている.




4月13日
AERA dot.の記事に, 北京大学での講演の一場面を示した文章が載っていて,

 通訳さんがエントロピーを訳せないでいると、一人の学生が「シャンのことだよ!」
 と叫びました。すると学生たちが次々に「しゃん、しゃん」と呼応して騒然となりました。
 学生たちは私の回答に納得してくれたようでした。

とあったので, エントロピーを中国語でなんと言うのか気になったので調べてみた.
手元にあった郝柏林于渌相變與臨界現象を見ると...

haoyu

とあって, 残留エントロピーが剩餘熵に相当するから, エントロピーはであること
がわかる. Wiktionaryを見ると, pinyinは,

 shāng

だから確かに「しゃん」だ. 文字の説明を見ると,

 Coined by Chinese physical scientist Hu Gangfu (胡剛復) in 1923 to translate
 the concept of entropy in thermodynamics, where 商 (“quotient”) represents
 the quotient of heat and temperature, and 火 (“fire”) represents its relation
 to thermodynamics.

つまり, 漢字1文字で熱力学的エントロピーの定義,

$\displaystyle \Delta S = \frac{Q}{T}$

を書いたわけだ. 新しい概念に対応できる漢字, おそろしい子...
ついでなので, 元素の中国語名称もリンクしておこう.



4月2日
Gigazine: 「神が存在する」と数学的に論理展開できるか?

ゲーデルの「神の存在証明」のような話かと思ったら全く違う話.
神という存在がいたとして, 神が人間を創造する確率はどれだけか.
神々が人間を創造する確率は神が人間を創造する確率より高いだろう.
というようなお話.

むしろ, ヒトが神(々)を創造する確率や, 創造した神(々)を持続的に
信仰する確率を求めたほうが実のある議論になるんじゃないか, と思う
のは不謹慎なのかな...



3月30日
高校に入って, 柔道部への入部を決めてすぐの頃, 関戸橋たもとの「さくらサンリバー」の
モランボンで柔道部非公式(とはいっても部員を率いていたのはリアル鷲尾のG先輩だったが)
の新歓が催されたのだが, もうとっくに無くなっていたんだねぇ. 四谷橋ができるまでは
大学への通学でいつも関戸橋を通っていて, 橋の上でいつもすれ違う美人のお姉さんが常に
「たまごっち」を持って歩いていたのが自分の中ですごいギャップでいまでも思い出してしまう.
格闘ゲーム「鉄拳」のファランのモーションアクターを担当していた黄秀一さんはモランボン
府中道場の所属だったけど, 今は自分の道場を持っているみたい. ビルの上のボーリングの
ピンを見るたびに, ここにすごい選手がいるんだなぁ, と思っていたのだが, 今ではピンその
ものが無いというのは感慨深い.



1月26日
会議でもらったサンガリアのお茶のラベル「あなたのお茶」を見ていて気がついた.
店頭で陳列されている間は「わたしのお茶」だが, 購買して自分のものにした途端,
それは「他人のお茶」になってしまうことに.

あなたが言うところのあなたはわたしだが, わたしが言うところのあなたはあなたなのである.



雑記(2017年)